J・J・エイブラムスとの再タッグ、HBO Maxのレトロ・アクションコメディ『ダスター』主演、苦悩のブランク期間、70年代風の衣装に合わせた体型維持、そして『LOST』リブートへの“ちょっと乗り気”な気持ちをHollywood Reporterのインタビューで語った。
HBO Maxの新シリーズ『Duster(ダスター)』(アメリカ時間木曜配信開始、日本ではU-NEXTで配信)で、ホロウェイが演じるのは1970年代初頭のアリゾナで活躍する逃走ドライバー。ロングヘアで魅力的な犯罪者だが、実は心優しい男。人を「ピーナッツ」と呼んでも、それがまったく嫌味にならずチャーミングに聞こえるのが彼の真骨頂。この演技は、ABCの『LOST』での出世作を思い起こさせるものの、今回は暴力と罵り言葉もたっぷり含まれている。『LOST』時代とほとんど変わらないルックスを保っているが、それには並々ならぬ努力があったという。
本人曰く、自分はスクリーン上のソーヤー的なキャラクターそのものではないが、その一面も確かにあるという。今回のインタビューでは、『ダスター』への出演経緯や、長いブランク期間の苦悩、そして『LOST』リブートへの微妙なスタンスまで語っている。
Q:IMDbには他にも3つの新プロジェクトが載っています。ジョシュ・ホロウェイ復活の兆しでしょうか?
そうだね。実はこの7年間は本当に厳しかったんだ。鏡を割って、間違った肩越しにコインでも投げたのかってくらい、何もかもうまくいかなくて。家族に集中するしかなかった。ピアノを習ったり、いろんなことをしたよ。あるとき代理人に言ったんだ、「とにかく何か仕事を持ってきてくれ、家に閉じこもってるのはもう耐えられない」って。そうしたらいろんな台本が届くようになった。でも大半はスキップするしかないものばかりだったけど、いくつかは本当に良いものだった。
Q:それでJ・J・エイブラムスから電話があったんですね?
ある日いきなり電話がきて、「ちょっと話せる?」って言われたんだ。「もちろんだよ、J・J・エイブラムスだろ!」ってね。で、彼が『ダスター』を語り始めたんだけど、最初の「君は1972年のマフィアの逃走ドライバーだ」で思考が止まったんだ(笑)。まさに『ザ・エージェント』の「君の”ハロー”で決まりだ」って感じだったよ。あれはパンデミックの直前の話で、その後、HBOが2回も売却されたけど、なんとか乗り越えた。中止になるのかと不安もあったけど、進み続けたんだ。
Q:制作の遅延中、キャラクターへの思いは変わりましたか?
うん、かなりしんどかったよ。5年間も「今か今か」と待っていたからね。あと、70年代風の体型に保つのも大変だった。5年もずっと「やるなら今だ」と思ってスタンバイしてた。でもそのおかげで、キャラクターのトーンは自分の中でしっかり定まった。
Q:55歳になったこと、実感はありますか?
ないね!身体は正直だから、アクションシーンは本当にきついよ。昔みたいに蹴りを決めて着地しても、今は違う。でもアクションはまだ好きだよ。幸い、今回は車内でのスタントが多いから、車に頑張ってもらってる(笑)。
Q:J・J・エイブラムスとは普段どんなやり取りを?
彼はすごく面白い人。作品外だと映画オタク的な雑談をすることもある。例えば『ブルース・ブラザーズ』の模型写真を送ってきたりする(笑)。あるときジャクソンホールの列に並んでたら、彼が仲間を連れて割り込んできて「昔はイケメンだったのに」って言ってきたんだ。もう、最高だよ(笑)。
Q:『LOST』のソーヤーに似たキャラについてはどう感じていますか?
僕はむしろ嬉しいよ。みんな誰しもいろんな面を持っているし、僕も南部育ちだから本当は礼儀正しいタイプ。でもソーヤーやジムみたいな“悪い男”の部分も好きなんだ。今の世の中じゃなかなか許されない振る舞いも、画面の中なら許される。だからスクリーン上でその一面を見せられるのは楽しい。
Q:スタントドライバー資格も取ったんですよね?普段の運転にも影響ありますか?
すごくあるよ。今では他の車とすごく近くても平気。壁ギリギリも余裕。訓練のおかげで、車がどこまでできるか感覚的に理解できるようになった。逆に、つい90度ターンを決めたくなるのが困るけどね(笑)。
Q:怪我は?
アクションシーンでは少し。でも運転では大丈夫だったよ。
Q:服装もスタイリッシュですが、普段どこで服を買いますか?
ほとんど子どもたちにお金を使ってるから、自分の服はあまり買わないけど、買うならラルフローレンとか、ジョン・ヴァルヴェイトスが好きかな。ちょっとロックな感じがいいよね。
Q:J・Jやカールトン・キューズなど、再び一緒に仕事するクリエイターが多いですが、その秘訣は?
僕はとにかく全力で取り組むから、信頼関係が生まれるんだと思う。ショーを立ち上げるには主役の信頼性が必要だから、そこを評価してもらえてるんだと思うよ。
Q:「LOSTリブート」と聞いてどう思いますか?
正直、実現しないだろうなって思ってる。けど、もし声がかかれば出るよ。あの作品は特別だったし、今も多くの人が見てくれている。自分の子どもたちは見たことないけどね(笑)。
Q:今後の3プロジェクト(『Flint』『Reimagined』『He Bled Neon』)の進捗は?
『Reimagined』は友人のためのコメディで、ジョエル・マクヘイルや『ミッション・インポッシブル2)でも共演したポーラ・パットンと共演した。『He Bled Neon』では悪役を演じたんだけど、台詞が16ページ目まで出てこなくて驚いた。でもその後に5ページのモノローグがあった(笑)。
『Flint』は20年追い続けたプロジェクトで、ついに資金が集まり実現したんだ。ヘリで現地入りして農場で打ち合わせして、「え、これって本当に映画になるの?」って驚いたよ。僕はこの役を得るためにラモールの息子であるボー・ラモールを20年間追いかけてきたんだ。最初の『Flint』についての打ち合わせのとき、僕はまだ『LOST』に出演していた頃だった。でも当時は、フリントというキャラクターがもっと年配という設定だったから、僕にはまだ合っていなかった。
それからずっと、いろんなアイデアを持って彼にアプローチし続けた。そしてついに、「ある億万長者がこの企画に出資したいと言っている」との連絡が来たんだ。僕たちは皆でサラソタに飛んで、ヘリコプターで迎えに来てもらって、美しい農場に連れて行かれた。気がつけば、『Flint』の制作が始まっていた。だから僕は思ったよ、「なるほど!これがこの業界のやり方ってわけか」ってね。
『DUSTER / ダスター』はUーNEXTで5月16日(金)より独占配信スタート。